【週刊現代】アメリカが進める金正恩政権「転覆計画」の全貌 「次のトップ擁立は正男から平日へ」[2/27]

アメリカが進める金正恩政権「転覆計画」の全貌 正男暗殺の引き金はこれだった
『週刊現代』編集次長 近藤 大介
「週刊現代」2017年3月4日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51039

従わない者は兄でも殺す――弾道ミサイル発射に続いて世界を震撼させた金正恩。米朝戦争はすでに始まっている。

「残念のひと言です。北朝鮮のことを、あれほど率直に語ってくれる人はいませんでした。それが、こんなことになるなんて……」

沈痛な面持ちで語るのは、かつて金正男(享年45)に7時間インタビューし、計150通もメールをやりとりした「金正男の友人」五味洋治東京新聞編集委員である。

「彼が5年前から暗殺対象になっていたという報道もありましたが、北朝鮮にとって脅威ではなかったはずで、金正恩は自己の政権に相当強い危機感を抱いているからこそ、過激な行動に走ったのでしょう。

しかしこのような暴挙によって、北朝鮮情勢は、ますます不安定になっていくはずです」(五味氏)

2月13日朝、マレーシアのクアラルンプール空港のチケット・カウンターに並んでいた金正男が暗殺された。故・金正日総書記の長男で、金正恩委員長(33歳)の異母兄である。2人の若い女性が、金正男に突然近づき、毒物を浸した布で顔を覆い、毒殺したのだった。金正男は近くの病院に搬送される途中で死亡した。

まさに世界が驚愕した暗殺劇。金正恩委員長は、なぜ血のつながった異母兄を、かくも残忍な手段で葬り去ってしまったのか――。

話はいまから2ヵ月ほど前、トランプ政権誕生を控えた昨年12月17日に遡る。この日、アメリカ国務省でアジア地域を担当するダニエル・ラッセル東アジア太平洋担当国務次官補が、ひっそりと来日した。

現在63歳のラッセル次官補は、アメリカの東アジア外交のキーパーソンである。日本と韓国のアメリカ大使館での勤務が長く、’93年から’94年にかけてアメリカが北朝鮮を空爆する一歩手前まで行った核危機の際には、現場責任者だった。

オバマ政権では国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務め、一貫して北朝鮮を担当してきた。

トランプ政権が始動するや、ケリー国務長官以下、国務省の幹部は軒並み去っていったが、ラッセル次官補だけは留任している。

実はラッセル次官補が来日した目的は、翌月のトランプ政権発足を前に、今後のアメリカの対北朝鮮政策について、日本政府に説明するためだった。

ラッセル次官補は、日本政府の高官たちを前に、まずは直近の韓国政界の話題から入った。

「いま起こっている朴槿恵大統領のスキャンダルは、ワシントンとして、もうこれ以上、我慢ならなかった。だから、いろいろと後押しした。

朴槿恵大統領の長年の友人で逮捕された崔順実は、北朝鮮出身者の娘だ。彼女は密かに北朝鮮と通じていた。このままでは、韓国が国家的な危機に陥るところだったのだ……」

日本政府にしてみれば、韓国政界の混乱に北朝鮮が「関与」していたというのは、初めて耳にする話だった。

>>2-5あたりにつづく

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